先輩の証言

理想を持って 未来を描き 行動していく
海外営業担当 課長代理
JUNKO WAKATSUKI
2012年入社

北海道室蘭市生まれの若月さんは、卒業後総合商社に入社、営業部門でオセアニア、バルト海沿岸国、パタゴニアなどの営業アシスタントの経験を活かし、拓和では海外営業担当として、主にアジア(タイ・韓国・インドネシア・マレーシアなど)への拡販に取り組んでいます。
前回風邪をひいたのがいつのことなのか記憶が無いほど、もうずっと風邪をひいていないことが自慢だという若月さん。世界中で起こる自然災害のニュースを目にする度、「もっとたくさんの人たちを救えたのではないか」と考えてしまうのは、彼女が敬愛する「困っている人たちを助けたい」という思いでヒトラーから迫害を受けていたユダヤ人にビザを発行した杉原千畝さんに通じるところがあるのではないでしょうか。

拓和への入社を決めたポイントは?

まず、拓和の長い社歴に惹かれました。中小企業で50年近くも事業を続けているということは、それだけ安定した経営基盤があり、地域や顧客からの信頼も厚いのではないかと考えました。リーマンショックの影響が残る当時、「安定」は私にとって重要なポイントでした。
また、応募条件のひとつに、ただ「英語力」とだけあり、TOEICのスコアなど具体的な条件がなかったことも印象的でした。これは、英語力に自信がなくても、挑戦したいという意欲があれば歓迎してくれる会社なのだと感じました。
実際に入社してみると、水位計の全国への導入実績の多さに驚きました。また、会社は社員の成長を積極的に支援しており、これまでに貿易実務、多言語学習、CAD操作、マネジメントなど、様々な分野の自己研鑽・啓発に関するサポートをしていただきました。電気工事施工関連や建設業経理などの資格取得サポート体制もあり、多くの社員がスキルアップを目指しています。
このように、社員の成長を後押ししてくれる会社の方針には、とても感謝しています。
毎年、何か一つでも新しいことができるようになると、成長を実感できて嬉しいです。これまでの積み重ねを振り返るのも楽しくなりますし、次は何に挑戦しようかと、前向きな気持ちになれます。

「拓和は社会公器である」というビジョンは、日々の業務においてどんな意味を持っていますか?

営業の立場で換言すると、「拓和は社会公器である」とは、「製品を販売し、実績を積み重ねることで初めて減災に貢献ができる」ということになります。
世界各地で発生する土砂災害や洪水被害のニュースを見るたびに、心が痛みます。同時に、「もしも、あの国のあの河川に拓和のセンサーが設置されていたら、住民の方々は避難できたかもしれない」と考えてしまいます。
世界中にある膨大な数の河川やダムに、私たちの製品を提案することはできません。しかし、その中から、本当に必要とされるところを見極め、提案し、契約を結ぶことで、社会公器としての役割を果たすことができると考えています。
そしてその実績は、単に「拓和」という会社のものだけでなく、「日本の水位計メーカー」や「日本の防災技術」全体のイメージ向上に繋がる可能性も秘めています。だからこそ、私たちは大きな責任を感じています。
災害観測システムが整備され、拓和のセンサーが有効に活用されれば、「人々の命と財産を守っている」と胸を張って言えます。しかし、支援が行き届いていない後発開発途上国のことを考えると、もっとできることがあるのではないかと考えてしまいます。
例えば、高価なシステムではなくとも、電源不要のシンプルな目視タイプの水位計を、低予算で設置することはできないでしょうか。水位観測の重要性を伝え、手書きの記録でも、収入に繋がるような仕組みを作ることはできないでしょうか。あるいは義務教育に、高度な防災教育を取り入れることはできないでしょうか。
このような考えは、メーカーの役割を超えているのかもしれません。ですが、こうしたアイデアを実現できれば、拓和はさらに社会に貢献できるはずです。

これまでの人生で得た知識や経験を、これからどのような形で仕事に活かそうと考えていますか?

「藤の蔓(つる)のようにしなやかに生きなさい。」
これは、学生時代の恩師の言葉です。「藤蔓は、花をたくさんつけて重たくなると、どこまでもしなります。でもそれは弱いということではありません。柔らかいけれど芯があるから、ポキッと折れることがないのです。重荷に感じることや、人と意見が食い違うことがあっても、柔軟に受け止めつつ、内側に芯となる自己を持ちなさい」という教えでした。
今、私は営業職ですが、入社当時は事務職でした。海外展開に向けた展示会や情報収集などを手伝う中で、顧客と接する機会が増え、営業を勧められたのです。正直、「私に営業なんてできるのだろうか」という不安がありました。私はどちらかというと、誰かをアシストする方が向いていると思っていましたし、入社面接でも「裏方の仕事で貢献したい」と話していたくらいです。
しかし、恩師の言葉を思い出し、プレッシャーを感じながらも、まずは「しなやかに」やってみようと思いました。ぎこちなくても、とにかく挑戦してみることにしたのです。
すると、困った時には必ず誰かが助けてくれるし、会社もすぐに結果を求めず、挑戦する機会を与え続けてくれました。そして、初めてのことに挑戦する中で、「あれ、私ってこんな考え方をするんだ」と、新しい自分自身に気づくこともありました。
もしあの時、勧められた営業職を断っていたら、国内外の多くの魅力的な方々と出会う機会や、出張先の様々な景色を見る機会、そして各国の言葉や文化をもっと深く理解したいと思うきっかけも得られなかったでしょう。
これからも、仕事の幅を広げていくために、これまでの経験や思い込みに囚われず、柔軟性と芯の強さのバランスを意識して仕事に取り組んでいきたいと思います。

「自分の人生を自分でデザインする」というビジョンは、貴方にとってどんな意味を持っていますか?

「こうありたい」という未来像を思い描き、そこに向かって日々を過ごす。これが自分の人生をデザインするということではないでしょうか。
未来像を実現するために、どんな課題を解決すべきか、いつまでに何をするべきか、うまくいかない場合はどうすればいいのか。そうやって考え、行動することで、たとえ道が険しくても、遠回りになっても、最終的には自分が思い描いた豊かな人生にたどり着けるのだと思います。
反対に、未来像が無いままでは、行動に自発性がなくなり、指示待ちの状態になってしまうばかりか、「理不尽だ」「無理強いだ」と感じてしまうかもしれません。
目指す未来像は、常に変わる可能性があります。社会は変化し続けていますから、目標が変わっていくのは当然です。また、目標は必ずしも立派なものである必要はありません。「将来は仕事をしないで、のんびり暮らしたい」という目標でもいいのです。
大切なのは、その目標を達成するために、今何をすべきかを真剣に考えることです。例えば、早期退職するためにはどうすればいいのか、健康を維持するためにはどんな運動をすればいいのか、安心して暮らせる場所はどこなのか、といったことを具体的に考えていく必要があります。
照れくさくて人には言いづらい目標であっても、明確な未来像を思い描き、それを実現するために思考し、行動していくこと。これが、自分の人生をデザインするということではないでしょうか。
私も、強く明確な理想像を持って、自分の人生をうまくデザインしていきたいと思っています。